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転職しようと思ったけどやっぱやめた話

    #キャリア

はじめに

今年の夏に転職をしようと思い立って実際に転職活動をしたが、結局転職はしなかった。

転職をしようと思い立った理由や結局転職をしなかった理由などを自分用に書き留めておきたい。

なお、当時は転職をしないという決断をしたが、だからといって今後全く転職しないというわけではないので環境と条件と給料が良い会社があればぜひカジュアル面談からよろしくお願いいたしますmm

転職をしようと思った理由

自分は今の会社に2020年に新卒で入社し、今年で3年目になる。

直近は今年の春までiOS/Androidのネイティブコードで書かれたアプリをFlutterでリプレイスするというスクラッチ開発をメインで行っていてリリースまで持っていくことができた。開発も安定し、チームも育ち、良くも悪くも自分がいなくても大丈夫な状況になった。今まではとにかく開発が大変で忙しかったが、落ち着いたそのタイミングで今後のキャリアについて考えるようになった。

当時の考えを雑に書いたのがこちら。

  • 自分は特定の技術領域を深めたいというよりは、良いサービスやプロダクトを作りたい、そのために必要な技術を使って開発したいというスタンス
  • それもあってフルスタックエンジニアというキャリアイメージが頭の中に少しあったが、フルスタックは器用貧乏で今の会社では使えても他の会社では使いにくい存在として価値や役割は低くなってくるのではないか
  • やはりどこかのタイミングで自分の専門性を持つ必要があるのではないか
  • 当時のスクラッチ開発は1年くらいやっていたが、それを通して自分はUIのような「ガワ」の領域よりも裏側の機能のロジックや設計を考えたり実装したりする方が好きだし得意だなと実感していた
  • Flutterの開発をする前はRailsで1年ほどバックエンドの開発経験もあったのでバックエンドを専門にした方が良さそうに思った
  • このまま今の会社にいてはモバイルエンジニアとしてやっていくことになりそうだった
  • 人間は一番近くにいる5人の平均になる、という言葉もあり、今の環境にいるよりかはもっと強いエンジニアのいる環境に身を置いた方が良いのではないか
  • もっと複雑で難易度の高い技術的な課題に挑戦したい、そんな中でもっとエンジニアとしての経験を積みたい
  • もっと給料ほしい

そんなこんなでバックエンドエンジニアとしてキャリアを進めようと思い、そういった求人を出している会社の選考をいくつかの受けてみることにしたのだった。

転職をしなかった理由

プライベートの時間では選考を進めて内定も出始めていたが、一方で会社の1on1などではバックエンドの方が好きなこと、キャリアに悩んでいることなどを上長に相談していた。

そんな中で会社の技術顧問の方と上長の2on1の機会をいただけることになった。転職をほのめかすことはしなかったが、当時抱えていたキャリアについての悩みをぶつけさせていただいた。

印象に残った言葉が以下。

  • エンジニアにとっての価値はどれだけ技術を知っているかよりもどれだけ事業価値を向上させることができるかどうか、それはどこの会社に行っても変わらない
  • 今いる場所が成長できないからという理由で環境を変えようとするのはジュニアの考え方
  • 今いる環境をどう変えていくのかが重要だし、それを考えながら実行していくのが一番成長する
  • 環境を変えるためには知識をインプットしたり提案をしていくことが必要だが、提案を通すためには今いる環境で貯めてきた関係値や信頼貯金が必要
  • 転職してしまうとそういった信頼貯金がゼロからスタートになるため、今の環境で持っている信頼貯金を使って環境を変えていったほうがやりやすい
  • フルスタックエンジニはいるようでいない
  • フロントやサーバーサイドと分けてしまうとアプリケーションの部品しか作れなくなってしまうし、名前をつけて分けることでそれしかやらなくなってしまう
  • 近年、技術はコモディティ化しておりライブラリやデザインシステムもツール化しているので専門性の価値が低くなってきている
  • ユーザーにどういった価値をデリバリするのか、どういったアウトプットに責任を持つのか、といった技術ベースから成果ベースの考え方にシフトしていく
  • その中でフルスタックというのは特別ではなくなる。が、どういった領域に強みを持つかといったグラデーションは個々にある

いただいた言葉を業後に振り返ってみると、その通りだなと感じた。確かに技術顧問の方は会社側なので、自分が転職しそうなのを嗅ぎ取ってそんな言葉で言いくるめたという見方もできるが、説得力もあったし自分も十分納得できた。その言葉に言いくるめられたことにした。

そうして結局、転職はせずに今の会社でもっと成長できる環境をつくっていけるよう頑張ってみることにしたのだった。

先輩や友人からのフィードバック

上記の顛末を先輩や友人にしたところ、以下のフィードバックをいただいた。

  • 強いエンジニアがいる環境は本当に成長できるので、転職するのが手っ取り早く成長環境を手に入れることができる
  • 一定程度の心理的安全性がある会社であれば、転職したばかりの人の提案でも聞いてくれるはずで、信頼貯金にこだわって今の会社に残る必要はそれほどない
  • やっぱり技術の専門性は大事、それがなければみんなが作れるものしか作ることはできず、市場価値は低い
  • 良い会社に転職すれば給料も良く、生活にも余裕を持たせることができ、自己投資も十分できるようになる

この意見もごもっともで、やっぱり転職やめるのをやめようかなとも思うほどだった(手のひらクルクル)。

転職しなかったことでどうだったか

もともとFlutterのチームは自分がいなくても回るようになっていたので、自分はバックエンドをメインにさせてもらうことになった。今はFlutterチームも少し見ながら、RailsやGoでバックエンドの開発をしたり、インフラも触ったりしている。

また、転職活動を経験したことで自分は転職しようと思えば転職できるくらいの人材になれたことを実感できた。その結果、何か意見や提案をすることで会社に居づらくなっても大丈夫だというマインドになり、どんどん提案ができるようになった。そうすると評価も上がったし、色々任されるようになったし、給料も上がったし、以前よりもいろんなことを見れるようになって成長できているように感じた。技術顧問の方の言ったことは本当だった。

フルサイクルエンジニアという考え方

そうした中で日々を送っていたところ、texta.fmのポッドキャストを聴き通す機会があった。

texta.fmはyasaichiさんとt_wadaさんがtextaでの1on1の様子をポッドキャストとして配信する内容だが、その中でフルサイクルエンジニアの話題があった。

技術の広さのフルスタックエンジニアに対し、フルサイクルエンジニアはユーザーに価値を届けるまでのサイクルに関わるという広さを持つ。自分は上でも書いたが、技術はどちらかというと手段で、良いサービスやプロダクトを作りたいという思いが強い。フルサイクルエンジニアは今後の自分のキャリアイメージとしても良いのではと思った。また、今いる会社ではどちらかというとそういったフルサイクルエンジニアのような姿勢が求められているし、フルサイクルエンジニアとして成長するにはちょうど良いのではと思った。

今後のキャリアイメージも少し見えるようになってきたのだった。

一方で、そうはいっても技術の専門性も大事だと個人的には思っている。現在はバックエンドを軸としながらフルサイクルに開発に関わり、技術を使って事業価値の向上を実現できるようなエンジニアになれるよう日々仕事に臨んでいる。

おわり

最後にざっくりまとめると、転職しようと思ったがやっぱりやめて今の会社で頑張ったら結果も出て今後のキャリアのイメージも持てるようになった、というお話でした。

最初にも書きましたが、だからといって今後永久的に今の会社に居続けるわけではなく、成長環境と面白い事業と良い給料があれば全然転職するので良いお話があればお待ちしております。


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