55歳の父と富士山に登ってきた
はじめに
コロナ前の2019年夏に初めて富士山に登った。ものすごく良い体験だったので来年も登りたい、という話を父にしたところ来年一緒に登ろうという話になった。
それからコロナ禍に入り、富士登山は実現できていなかったが今年こそは登ろうとなり7月24日~25日にかけて父と富士山に登ることになった。
その話が決まると父はたまに妹と登山を始め、体重も落とし、富士山に向けて体を仕上げてきた。5月に帰省したときも鳥取県の大山に一緒に登って体力づくりをした。
そんなわけでついに富士登山本番の日が来た。最初は妹もついてくる予定だったが予定が入ったらしく、父と二人で登ることになった。
前泊
富士登山で怖いのが高山病だが、これの大きな原因としては疲労や寝不足があるらしい。父は広島に住んでおり、当日出発して登山を開始していては高山病に登山を台無しにされてしまうので前泊をすることにした。
登山当日は北側の富士スバルライン5合目から吉田ルートを登る予定だったので、宿は河口湖にとった。
前泊日は夕方くらいに河口湖に行こうと思っていた。しかし、会社の人にそれを話すと色々とおすすめの観光地を教えてもらったので昼過ぎに行って午後は観光をすることにした。父は夕方に到着するので一人観光だ。
河口湖駅
河口湖駅は自分が住んでいる多摩市から電車で2時間ほどで行くことができ、以外と近かった。
かなり外国人が多く、いろんな国から観光客が来ているようだった。
レンタカー
観光はレンタカーで回る予定だったのですぐにレンタ屋を探した。駅前にニッポンレンタカーがあったが、GoogleMapの評価が最悪だったので少し離れたトヨタレンタカーに向かった。
借りられる車を聞くとレクサスしかないと言われた。乗ってみたさはあったが流石に値段が値段なので断ると、近くのバジェットレンタカーというレンタ屋を紹介された。
地方のローカルレンタ屋ではトラブルが起きやすいと偏見を持っていたので身構えたが、他にアテがなかったので利用することにした。そこで借りられたのはホンダのN-BOXで、特に借りる際も返却した後もトラブルはなく自分の中の偏見が少し緩和された。
冨士浅間神社
まず向かったのは北口本宮冨士浅間神社。浅間は「せんげん」と読む。
まず目に入る鳥居はかなり立派で、その先の参道の杉並木が天高く伸びて荘厳な雰囲気を出しており異世界への通り道のようだった。
拝殿内では太鼓を打ち祝詞をあげる声が聞こえ、かなり神秘的な空間だった。
境内内には樹齢千年と言われる太郎杉がある。これ以外にも樹齢のある杉がいくつかあり、歴史を感じた。
新屋山神社
次に向かったのは浅間神社から少し南東にある山神社。なんでも金運で有名な神社らしい。
参道には鳥居がたくさんあり、稲荷神社のようだった。祭神は山の神様だが、境内には実際に稲荷社もあった。
(拝殿は撮り忘れた…)
売り場では「金運カード」というものがよく買われていた。財布に入れておくと金運が上昇するらしい。
俗っぽくて気恥ずかしかったが、やっぱりお金は大事だし夢のマイホームのためにお金が必要だ。1,500円を出して購入し、願いをかけて財布に忍ばせた。
ふじさんミュージアム
次は山神社から南東に1kmほどにあるふじさんミュージアム。
富士山が登られるようになった由来である富士山信仰と歴史、富士山周辺における文化などを展示・解説してあって面白かった。
VRシアターでは富士山をいろんな視点や季節から見ることができ、没入感と迫力があり楽しい体験だった。
父と合流
16時過ぎに河口湖駅で父と合流し、宿に向かった。
富岳荘という民宿で、素泊まりで1泊1人5,000円。古き良き民宿といった感じで、かなり味があって良かった。
部屋にクーラーがなくて心配したが、河口湖の夏はかなり涼しかった。むしろ夏が遅れているような感じすらあり、この時期にアジサイが咲いているし、セミも鳴いていなかった。
荷物を置いて少し休んだ後、近くの河口湖を父と散歩することにした。あいにくこの日の富士山はずっと雲で隠れていた。
湖から宿へ戻る途中にある食堂で山梨の郷土料理ほうとうを食べることにした。
食堂へ向かう途中、富士山をバックに自撮りをしている1人の外国人がおり、英語が1ミリも分からない父が写真を撮りましょうかと話しかけた。自分が通訳をしながら一緒に話をしていると、向かっている食堂が同じだと分かり一緒に食堂まで向かった。食堂が開店するまでも店前で話していると一緒にご飯を食べることになった。
彼はエドと言い、アメリカのセントルイスに住む61歳の元医者らしく、今は退職して1ヶ月かけて日本を回っているそうだ。食事後にエドがお金を出すと言ったが、流石に日本に来た外国人にお金を出してもらうのはできないのでエドと自分を含め父に奢ってもらった。
明日はいよいよ富士登山。寝不足は高山病の敵なのでその日は21時には就寝した。
登山1日目
早朝河口湖散歩
早朝の風が少ない時間帯であれば河口湖で逆さ富士が見えるかもしれないということを聞き、5時くらいに起きて父と河口湖に散歩へ向かった。
河口湖の朝は寒く、20度を下回っていた。山頂で着る用のライトダウンを着て散歩に出かけた。
時間は5時過ぎだったが、少し風が出ていて水面に波が立っていた。綺麗な逆さ富士は見れなかったが、天気は良く富士山をくっきり望むことができた。
宿に戻ったときもまだ朝早かったので二度寝した。
登山開始
河口湖からバスに乗り1時間ほどで富士スバルライン5合目に着いた。
この地点で標高は2,300mくらい。すでに地上と比べ空気が薄いのでここで1時間ほど体を慣らして出発した。
景色は絶景。山中湖まで一望できる。
地上と比べると息が上がりやすい。高山病が怖いのでこまめに休憩を取りながら登った。
疲れ切ってそのまま空に吸い込まれていきそうな父。
山小屋到着
16時前くらいに8合目の山小屋白雲荘に到着した。ここで一泊し、明日の深夜にご来光アタックをする。
料金は一泊2食付きで11,000円。缶コーヒーが500円する世界においてかなり良心的な値段設定に感じる。
山小屋からの景色。感無量。
まだ16時だが夕食の時間。いただいたのはカレー。明日の朝食としてパンや補給食もいただいた。
寝床は狭いが半個室な感じだった。以前ツアーで宿を取ったときは大部屋に雑魚寝だったので、かなりグレードアップ感があった。
ただ、それでも周りはうるさいし暑いし寒いし空気は薄いしで全然寝れなかった。深夜バスに乗っているときのように覚醒と睡眠を繰り返す感じだった。
登山2日目
ご来光アタック
深夜1時半に山小屋の方のモーニングコール(?)で起き、準備を整えて2時ごろ出発した。
眼下には富士吉田の夜景、奥には八王子の夜景まで見晴らせた。
他の登山者もみんなご来光を目指すので光の列ができる。
3時半ごろ、東の空が少し明るくなってきた。
山頂手前では長い渋滞ができている。ご来光予定時刻は4時40分と聞いていたので少し焦り始めた。
なんとかご来光前に山頂に到着。
ご来光まで待機。空気は静かでみんなドキドキしながら待っている雰囲気が伝わってきてとても美しかった。
前回は防寒を舐めてて低体温症で死にそうになっていたが今回はバッチリ。
4時40分、ご来光。
お鉢巡り
富士山の火口をぐるっと一周することをお鉢巡りという。この道中にある剣ヶ峰が3,776m地点であり、実はまだ最高峰を踏破できていない。
前回登ったときはこのことを知らずすぐに下山してしまった(寒くて死にそうだったのもあるが)。今回はお鉢巡りリベンジをすることができた。
これから一周する火口。大内院ともいうらしい。直径は約900m、でかい。
そんなこんなで日本最高峰剣ヶ峰。写真を撮るために長蛇の列ができていたので、ご来光後は早めに向かうことをおすすめする。
剣ヶ峰から帰る途中、綺麗な影富士を見ることができた。
下山、そして帰宅
お鉢巡りを終える頃には6時になっていた。これからいよいよ下山。
下山ルートは火山灰と砂礫で歩きにくく、それがずっと続く。体は疲れているし足も痛いし下山が一番しんどかった。
スバルライン5合目まで下山できたのは9時ごろだった。
父もヘロヘロとなっており、河口湖駅までのバスではお互いぐっすり眠り、駅に着いた後もすぐにお互いの帰路に着いた。
YAMAPの記録
今回も登山アプリのYAMAPを利用した。富士登山といっても5合目からだからそれほどでもないだろと思っていたが、それほどでもあった。
おわり
4年前の前回登ったときは来年も登りたいと思ったが、今回は下山の疲れがしんどすぎてしばらく富士山はいいやと思っている。これが加齢なのかと思うと少し怖い。運動不足のせいにしておこう。
ちなみに筋肉痛は1週間くらい続いた。