金沢旅行2023年冬~3泊4日の旅~
旅の背景
最近は日常のふとした瞬間や夢の中でも仕事のことを考えていて少ししんどかった。そんなわけで仕事と東京から物理的にも心理的にも距離を置きたかった。
また、季節感を味わいたかったので雪が降っていてカニが食べられそうな金沢に行くことにした。
旅程
2月23日(木)が祝日だったので22日と24日で有休を取って3泊4日で金沢に滞在することにした。日中は宿に引きこもって心のおもむくままコードを書いたり本を読んだりし、夜は美味しいものを食べに出る計画。
しかし、事前に有休申請をして当日を楽しみにしていたが、その週は自分が関わっている大きめのリリースが複数入る予定となり、何かあったときに対応できるように出勤することにした。泣きながら有休申請を取り下げた。
すでに宿は取ってしまっていたので、22日は仕事が終わった夜に金沢に出発することにし、24日は上長の許可を得て金沢からのリモート勤務をさせてもらった。仕事から逃げたかったのに結局仕事をすることになった。
旅の記録
1日目: 2月22日(水)
仕事を終え、金沢に向かうべく東京駅へ向かった。新幹線は「えきねっと」でオンライン予約していたが、出発時間を勘違いしていて乗り遅れてしまった。焦りに焦ったが「えきねっと」では時間の変更を追加料金なしにできて無事に1本あとの新幹線に乗ることができた。「えきねっと」はサイコー。
22:30頃に金沢に到着。
雪がしんしんと降り積もっているのを期待して防寒着や防水の靴を用意していたが、隅っこに少しだけ残っている程度で雪はまったく積もっていなかった!しかもそんなに寒くない!北国感が全然なくて少し落胆した。
宿は駅から15分くらい歩いたところにあり、有名な近江町市場のすぐ近くだった。金沢城や兼六園などの観光地も近くて立地は最高だった。しかもこの宿、airbnbで予約したのだが1泊4,000円ちょっと。すごい!
移動で疲れたので荷解きしてこの日はすぐに寝た。
2日目: 2月23日(木)
この日は天皇誕生日で祝日。朝は近くのドトールで朝ごはんを食べ、昼前までは宿でダラダラ過ごした。
お昼が近づいてきたところで近くにある近江町市場を散策することにした。祝日でお昼時というのもあるが、かなり人が多く、どの店も入店待ちの列ができていた。
散策中に見つけて良さそうだった「海鮮丼いちば」という店でお昼にすることにした。少し並んだが、10分ほどで入ることができた。
注文したのは「ぜいたく握り」。12貫とあら汁もついて2,000円ちょっと(高い!)。ネタはどれも濃厚で身がつまっており、あら汁も美味しかった。
店を出るとそのまま歩いて10分くらいの金沢城へ行った。玉泉院丸口から入場すると、さっそく玉泉院丸庭園を望めた。
金沢でよく見る三角錐の紐を最初はオシャレ道具だと思っていたが、雪の重みで枝が折れないようにする雪吊りというちゃんとした道具らしい。
三の丸広場と五十間長屋。
石川門。
石川城を出るとそのまま隣接する兼六園へ。
実は石川城も兼六園も大学時代にサークルの遠征ついでに寄ったことがある。パンフレットや案内図も当時のままで、懐かしさと地方らしさを感じた。
兼六園を出ると出口近くの石川県伝統産業工芸館内にある「いしかわ生活工芸ミュージアム」に入った。石川県の伝統産業工芸品が36種も展示されており、有名な輪島塗や九谷焼、加賀友禅、金箔以外にも和傘や提灯、和ろうそくなどもあり見ていて飽きなかった。
続いて近くの石川県立歴史博物館へ。観光施設がギュッとまとまっているのでかなり便利で嬉しい。
加賀一向一揆や加賀藩でお馴染みの歴史から、あまり知らなかった幕末や近代の歴史も知れて面白かった。また、個人的に一番面白かったのが石川の民俗の展示だ。特に祭礼はかなり多様で歴史があって面白く、体感シアターでは映像に合わせての振動で臨場感溢れる祭礼の世界を体験することができた。
歴史や文化、民俗というものは当時の人々の思いや願い、ときには息づかいまでも時代を超えて感じることができ、ちょっとした時間旅行をしたような気分になれて本当に面白い。
ついでに近くの国立工芸館にも入ってみた。「国立」なので石川の工芸だけでないとは思っていたが、海外のモダンな工芸しか展示されておらず少し落胆した。パンフレットをよく見ると、ちょうど今の時期は「工芸館と旅する世界展 外国の工芸とデザインを中心に」という展示会中らしく、タイミングが合わなかったようだ。
工芸館を出ると17時過ぎで、いろんな施設が閉館する時間だったので宿に帰ることにした。歩き疲れたのでしばらく宿でダラダラしていたが、19時半ごろにお腹が空いたので晩ごはんを食べに行くことに。
夜も海鮮を食べたいと思って近江町市場に向かうとほとんどの店が閉まっていた。どうやら空いているのは昼間だけのようだ。
そんな中「口福」という店が空いていたので入ることに。すでに売り切れのメニューもいくつかあったが、のどぐろのひつまぶしを注文した。1杯目はわさび醤油、2杯目はうに醤油、最後はお茶漬けにして食べるという最高の一品だった。お酒もおいしい。
3日目: 2月24日(金)
この日は平日なので日中は仕事をした。金沢からのリモートワークを許可していただいた上長に感謝。
お昼は近江町市場で金沢おでんを食べた。日数の少ない旅行で来た場合はわざわざ食べる必要はないと思う。
18時には仕事を切り上げ、晩ごはんを食べに行くことに。金沢滞在も明日が最後なので今日はいろんな種類の地のものを食べたいと考え、居酒屋を探すことに。昨日のどぐろを食べた「口福」の近くに「市の蔵」という居酒屋があったので入った。
18時半ごろに入店したが、すでに売り切れのメニューもあったので金沢では早めに入店した方が良さそう。
いろんなメニューを注文して食べたがどれも美味しく、お酒もたくさん飲んでしまった。いくつかを紹介する。
蟹味噌甲羅焼き。
ハマグリとサザエの浜焼き。
蟹雑炊。
店を出た後、お腹いっぱいで酔っ払っていたので散歩をすることに。ちょうど石川城がライトアップをしているらしいので見に行くことにした。
玉泉院丸庭園はかなり幻想的だった。
三の丸広場と五十間長屋。
石川門。
帰りに雨が降ってびしょ濡れになったこと以外は最高の夜だった。
4日目: 2月25日(土)
今日が旅行最終日。10時前に宿をチェックアウトして出た。
東京への新幹線は13時ごろの出発なので、それまでひがし茶屋街に行ってみることにした。
10時過ぎでも結構人が多く、海外の方もたくさんいた。おそらく昼間だともっと人がいそうな気配があり、この時間帯に来れて良かった。
新幹線に遅れるのが怖くて12時前には金沢駅に到着しておいた。新幹線の時間までは駅構内にあるお土産屋を散策した。金沢は工芸品が多くて見て回るだけでも楽しかった。
帰りの新幹線ではグランクラスの席をとった。値段は乗車券込みで29,220円。飛行機におけるファーストクラスを目指したものらしく、広くて座り心地の良いシートや専用のアテンダント、飲料や軽食などの様々なサービスがついている。
グランクラスの存在はもともと知っておらず、会社の人に金沢旅行の話をした際に教えていただき、せっかくなので帰りの新幹線で利用することにした。
実際に乗ってみると席は広くてリクライニングなどのボタンがたくさんあるし、スリッパもついてるしではしゃいだ。
軽食を和食と洋食から選ぶことができ、和食を選択した。飲み物もお酒からソフトドリンクまで充実しており、日本酒を頼んだ。
和食もお酒もとても美味しかった。新幹線の良い席で昼間から美味しい和食とお酒を楽しむことができ、最後まで旅を堪能することができた。
値段が値段なので何度も乗ることはできないが、いつかまたグランクラスを利用したい。
戦利品
自分は本が好きで、旅先ではお土産屋でブックカバーやしおりがないかよく見ている。金沢は工芸の町だけあってかなり良いものを手に入れることができた。
特に気に入っているのは木でできたブックカバーと、イチョウ型の玉虫塗のしおり。玉虫塗という技法は仙台発祥の工芸らしいが、それでもうっとりするほど美しい。良い買い物ができた。
総括
雪が降っていなかったのは残念だったが、金沢には食に工芸に歴史と文化がありとても良い町だった。
当初の目的である仕事から離れることはあまり達成できなかったものの、結構リフレッシュすることはできた。またこういった旅行がしたいので再度頑張って労働しようと思う。