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2022年7月~9月に読んだ本 | okaryo.log

2022年7月~9月に読んだ本

    #読書記録#本

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はじめに

今年は年間100冊を読むことを目標にしている。ちなみに1~6月に読んだ本はこちら。

この四半期の記録も振り返っていく。

7~9月に読んだ本たち

以下の15冊を読んだ。これで今年の合計読書数は61冊。

今年の目標は100冊なので雲行きがかなり怪しくなってきた。8月にほとんど本を読まなかったのが大きく響いた。

おすすめの本

この中で特に面白かったものを紹介する。

LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を加速する (impress top gear)

自分の中の最近の関心ごととして、より良い価値提供のために技術以外の部分も重要だと感じており、その一つとしてチームや組織のパフォーマンスがある。

この本ではソフトウェア開発におけるチームや組織のパフォーマンスを向上させる要因について科学的な調査・分析を行い、その結果を解説している。

本書ではソフトウェア開発のパフォーマンスを計測する指標として、以下の4つを置いている。

  • デプロイ頻度
  • 変更のリードタイム
  • MTTR(平均修復時間)
  • 変更失敗率

パフォーマンスの高い組織やチームでは、全ての指標においてローパフォーマーを圧倒していると本書では書かれている。

これは@t_wadaが言っている「質とスピードはトレードオフではない」ということを科学的に実証したことになるし、読んでいてとても面白かった。

texta.fmでは第5回の収録で本書をテーマに話しており、本書を読んだとに聴いてみると内容を補完できてより面白いと思うのでおすすめ。

一方、つい最近Googleが最新のDevOpsレポートを出し、その中で本書の内容と一部矛盾する報告結果があるようだ。後ほど目を通しておきたい。

何はともあれチーム開発やDevOpsに興味のある方にはぜひ読んでいただきたい本。

心理的安全性のつくりかた

この本もチーム開発におけるパフォーマンスを上げられるための何かが得られないかと思って読んだ。

心理的安全性というとその言葉を言っておけばいいという風に割と誤魔化されがちな印象ではあるが、本書では心理的安全性とは何か、心理的安全ではないとはどういうことかを紐解きながら心理的安全の輪郭を掴むことができた。

心理的安全を導入するためのアイデア集もついていて実践に繋げやすくおすすめの本。

次の四半期で読みたいもの

今後はバックエンドを軸にスキルを深めていきたいと考えているのでそれ関連の本と、今個人開発で扱っているアプリsubskunを良くするためにUXやデザイン、データによる改善系の本を読んで知識をインプットしていきたい。

おわり

読書記録は読書メーターで管理している。よければフォローしていただけると嬉しい。

読んだ本と感想一覧

  • 一万年の午後
    • 読了日: 2022-09-21
    • 感想: Audibleにて。創元日本SFアンソロジーGenesisの中の一作品らしい。人類が絶滅した遥か未来で、それでも人類によってデザインされた通りに惑星探索を単調に進めるアンドロイドたちの短編SF。単調作業を進める中で機械の中に芽生える「特別」や、人類をトレースしたかのような優しさや罪悪感や残虐性、綺麗な情景描写などSFというよりは文学のような印象を受けた。久々に小説を読んだ。この感情をうまく言葉にできないが、やっぱり小説を読むのは良いな。
  • 行動経済学の逆襲 下 (ハヤカワ文庫NF)
    • 読了日: 2022-09-20
    • 感想: Audibleにて。下巻も面白かった。合理的経済学派との議論や行動経済学の理論であるナッジの政策への導入と、行動経済学が学問の中で市民権を得ていく過程をセイラー先生自身の体験から解説していく。日本の政治や政策の中にも行動経済学から参考にしたようなものはあるんだろうか。理論も面白いが現実世界で行動経済学の理論がどう生きているのかにも興味を惹かれる。行動経済学を中心にその周辺の学問にも興味を持つことができた。もっと人間について知ってみたい。
  • コンセプトのつくりかた
    • 読了日: 2022-09-16
    • 感想: 最近個人開発でアプリを作っていて、その参考になるのではと勧められたので読んでみた。コンセプトとは何かからそのつくり方、実際のWiiにおける具体的なコンセプトワーク、リリース後のコンセプトの向き合い方とコンセプトにまつわるものをまるっと知ることができた。実際に自分でもビジョンやアイテムを考えてコンセプトを作ってみたり、有名なサービスやプロダクトのコンセプトを調べてみたりしようと思った。
  • 行動経済学の逆襲 上 (ハヤカワ文庫NF)
    • 読了日: 2022-09-10
    • 感想: Audibleにて。自伝形式で著者がどのように行動経済学を学び研究していったのか、カーネマンらとの出会いや古典派経済学との議論を語っている。今でこそ行動経済学は注目されている分野ではあるが、当時はタイトルの通り「逆襲」だったんだなと実感。『ファスト&スロー』も読んだことはあるが、この本はそれとは別の視点からも行動経済学やその歴史をみることができて面白い。冒頭の137点満点のテストはつかみとしても良かった。自分も行動経済学を利用したライフハックを考えて実践してみたいなと思った。下巻も楽しみ。
  • Figma for UIデザイン アプリ開発のためのデザイン、プロトタイプ、ハンドオフ(Kindle)
    • 読了日: 2022-09-04
    • 感想: Kindleにて。最近個人開発でアプリを作っており、Figmaを触る機会が何度かあったので機能をちゃんと把握しておこうと思って読んだ。想像の20倍くらい多機能で驚いた。コンポーネントのインスタンス化や変更に強くするための構造化やスタイル、命名など、デザイナーもエンジニアっぽいことを考えているんだなと親近感を覚えた。また、UIスタックの考え方が紹介されていたが、エンジニア目線からも全デザイナーにこの考え方は押さえておいてほしいと思った。網羅的に書かれているのでリファレンスとしても直近は使えそう。
  • リーダーの作法 ―ささいなことをていねいに
    • 読了日: 2022-09-03
    • 感想: より良いチーム開発のために何か新しい視点が得られたらと読んだ。自分はリーダーというポジションではないものの、リーダーシップは姿勢でありそれは誰にでもできるという本書の姿勢には惹かれるものがあった。副題の通り内容も小さなことの積み重ねで、自分にもすぐに実践できそうなものがたくさんあったし、読んでる間に実際に実践したものもあった。気になることは掘り下げたり、自分の時間を見直して自己投資の時間を設けたり、人に最後まで任せたり、笑顔でいたり褒めたり、厳しいことも言ったりと些細なことを丁寧にやっていきたい。
  • 教養としての社会保障
    • 読了日: 2022-09-02
    • 感想: Audibleにて。社会保障は大学の頃に政治学の文脈で学んだが、本書では経済や財政も一緒によりマクロな視点で社会保障を論じている。社会保障の背景にある考え方から日本の社会保障の特徴や海外との比較、社会の保障の現状と課題、著者からの提言がわかりやすく書かれており、自身が関わったものも含めてその改革について正直に向き合って評価している。社会保障は守りの制度と思っていたが、経済成長にとっても重要な役割を持つ制度だと知ることができた。この本を読む前と読んだ後では社会保障に対する見方と向き合い方が変わるような本。
  • アドラー心理学を実生活に取り入れてみた
    • 読了日: 2022-08-20
    • 感想: Audibleにて。著者は病は気からを心から信じておりコロナのワクチンも打たないと言っていて、それ以降の内容は穿った見方しかできなくなってしまった。内容自体は薄いが、アドラー心理学の目的論や認知論、共同体感覚、課題の分離などの基本的なことには触れているので入門には良いとは思われる。一方、アドラー心理学の認知論のようにいくら世界の解釈が自分次第だとしても、科学的な事実までが変わるわけではない。アドラー心理学は思いこみの強い人や自称インフルエンサーのような人々に悪用されやすいんじゃないかとも思ってしまった。
  • 国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック
    • 読了日: 2022-08-19
    • 感想: Audibleにて。チームのパフォーマンスを高めるためにできることを探している一環で読んだ。承認やポジティブなコミュニケーションが個人やチームのやる気を盛り上げ、一方で否定的で責めることが目的のフィードバックではそれが落ち込む一方なのは多くの人が個人的体験として納得できるものに思う。そういったポジティブフィードバックの機能や効果について言語化され整理できた点で自分の中では読んで良かった本だった。
  • 動機づけのマネジメント ―最高のマネジャーがやるべきたった1つのこと
    • 読了日: 2022-07-31
    • 感想: Audibleにて。開発チームのパフォーマンスを上げるために何か良い視点はないかと読んだ。書かれている方が営業の方なので内容やその前提が営業の人向けになっているが、動機づけによってパフォーマンスを最大化するという基本的な考え方や、共通の目標の設定、フィードバックなど共感しながら読める部分がいくつかあった。
  • LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を加速する (impress top gear)
    • 読了日: 2022-07-31
    • 感想: 『チームトポロジー』で何度も言及されていたので読んでみたがとても面白かった。最近の自分の関心事として、より良い価値提供のために技術以外の部分のパフォーマンスがあり、チームや組織はその一つだった。この本ではソフトウェア開発におけるチームや組織のパフォーマンスを向上させるケイパビリティについて科学的に調査・分析してその結果を解説していてドンピシャだった。この本についてのtexta.fmを聞いたり、改めてDevOpsや継続的デリバリについての体系的な知識をつけてこの本についての理解をもっと深めたいと思った。
  • ITエンジニアのやさしい法律Q&A 著作権・開発契約・労働関係・契約書で揉めないための勘どころ
    • 読了日: 2022-07-29
    • 感想: 電子書籍にて。先日『良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方』を読んで、エンジニアとして知っておくべき法律や権利関係を押さえておこうと思い読んだ。自分は会社員なので会社との労働契約は必ず関わってくるし、今のところフリーランスになる気はないとは言え普段の開発で業務委託の方々とも開発することがあるので請負や準委任といった開発契約も知ることができてよかった。また、普段何気なく書いたり使っているコードやアルゴリズム、フリー素材などの著作権といった開発に関わる権利関係についても知ることができた。
  • 動物学者による世界初の生き物屁事典 ヘビってオナラするの? (フェニックスシリーズ)
    • 読了日: 2022-07-25
    • 感想: Audibleにて。ヒトだけでなく、哺乳類や爬虫類、昆虫までさまざまな生物のオナラをするかどうかについての本。昆虫もオナラをしていたり、鳥類はしなかったり、生物ごとの食生や体の構造、社会生活などによってオナラの仕方や意味が変わってきたりとオナラひとつとっても興味を掻き立てられて面白く読むことができた。今まで普通に見ていた生き物たちを、アイツもオナラするんだ、と見てしまうようになってしまう本。
  • 心理的安全性のつくりかた
    • 読了日: 2022-07-15
    • 感想: Audibleにて。最近は技術以外にもチームもプロダクトの価値を伸ばす要因として関心があるので読んでみた。心理的安全性というとその言葉だけで誤魔化されることがある印象があるが、しっかりと分解してわかりやすく説明してくれる。自ら自己開示したりチームや個人として伸ばすべきことをした場合はしっかり褒めるなど実践知として持っていたものが心ではなく行動に着目することや好子や嫌子などの言葉で言語化してくれてとても良かった。手元に置いて何度も読み返したいので物理本も買おうと思う。
  • 宇宙一わかる、宇宙のはなし むずかしい数式なしで最新の天文学
    • 読了日: 2022-07-08
    • 感想: Audibleにて。宇宙規模のようなでかい話をしたかと思うと、その解明には素粒子のようなとても小さなものを知る必要があったり、三次元以外の次元にも目を向ける必要があったりと、同じ宇宙に生きているのに宇宙はこうも謎に満ちているのかとワクワクする。この本ではストレンジ物質について初めて知ることができたし、ブラックホールと情報の保存についてのパラドックスにも興味を惹かれた。また、やはり三次元以外の次元でものを考えるのは難しい。宇宙の研究者の目には空間や多次元というものがどう見えているんだろう。

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